後ほど述べますが、中学生まで暇があると自転車で旅をしてきました。
高校生になると、僕は行動範囲が広く自由に旅ができるバイクに憧れました。買うお金が欲しくて引越しのバイトを始めたのですが、これが大きな転機になりました。
僕はバイトの立場で仕事場に行くんですけど、身体を一生懸命使って汗水垂らして頑張っていると『頑張ってるね〜』とリーダーが褒めてくれるんです。
褒められることに飢えていた僕は、『おっ褒められた!』と嬉しく思いました。
他のバイトメンバーは、雑というかまあ普通に仕事してたんですけど、僕は褒めてもらいたくて『他のやり方ってないのかな、もっと丁寧な仕事ができないかな』って創意工夫していると、お客さんからも褒めてもらえるわけです。
『綺麗やね、丁寧に作業してくれて本当にありがとう』。
そうすると、今度は、バイト先であいつは使えるということで重宝される様になりました。僕は助手席に座ってナビをする役回りだったのですが(当時ナビは無く、地図を見て現場への道案内するのが普通でした)、地図を見るのが得意だったので、僕がナビ役になると、定刻に引越しの現場に到着することができました(これって引越しの仕事で大事なことなのです)。
また、リーダーの特性に合わせて動いていたので、リーダーの間では「シフトであいつが助手になったらラッキーだ」と思ってもらえる立場になっていました。そして、最終的には僕自身がリーダーの1人になって仕事を回せる様になっていきました。
高校卒業後、東京の吉祥寺にある成蹊大学という大学に進学した後も、大学4年間、僕は引き続き引越しのアルバイトを選択し続けました。トラックに乗って長距離を走ることもありました。今ではよくやったなと思いますが。
振り返ってみると、学生時代の引越しのアルバイトは、人の役に立って認めてもらうこと、喜んでもらうことを軸に仕事することになった僕の原点だと思っています。